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要約筆記実践16 読点の不備をフォローする①

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要約筆記実践16 読点の不備をフォローする①

前回の続き。
要約筆記で、既に書いてしまった部分の読点の不備をどうフォローするか…という話。

前述の通り、要約筆記では文章を全て聞いてから書くことはできません。
遅れに遅れた結果、すっかり聞いた後で追いかけながら書くという状況になることも無くはありませんが、それは本来あってはいけない状況。
通常は、聞き始めから書き始めまで1~2秒。
それ以上スタートが遅れると、通訳として成り立たせることは困難です。
筆記中でも、発話と筆記とのタイムラグは5秒内外。
必然、ある程度見切り発車的に書いていくことになるため、文意が明らかになったときには既に一定部分書き終わっていることになります。
先を読みながら書いているので、問題なく進む場合のほうが多いのですが、時には、書いてしまった部分が若干よろしくないことが後から判明する場合もあります。
そういう場合に、どうするか。
全部を言おうとすると広すぎるので、読点不備の問題だけに焦点を絞って進めます。

読点フォローのパターン、大雑把に言うと、以下。
1.読点挿入・消去
2.単語を重複挿入
3.後からの筆記に含ませる
4.スルー

意味わかりませんね。概説します。
まず、1。
読点が不足であれば挿入し、読点が不要であれば消去する、というダイレクトな手法です。
手書き要約筆記か、あるいはPC要約筆記でワープロ画面での訂正などを加えている場合に使えます。
BMチャット、ブリスタ通訳含め、後戻りできないタイプの要約筆記では、使えない手法。
主に手書き要約筆記で使う技術と言っていいでしょう。
また、筆記後あまり時間の経過していない箇所に限定して使うべき手法です。
これで解決できるなら簡単ですし、実際けっこう使う手法ですが、多少注意も必要です。
あまり無理に挿入しないこと。
スペースが無いのに無理に入れて、読点が挿入されたと分からないばかりか他の文字まで読みづらくなったり、挿入記号を使ったせいで違う文字の挿入に見えたり、読点を入れたつもりが汚れに見えたり。
形の特徴のない記号だけに、案外挿入は難しかったりします。
同じような理由で消去も案外難しい。
下手に消して、やたら太字の読点のようになってしまって、逆効果になる場合も。
きれいに直せそうにないなら諦めたほうがいいかもしれません。

で、1が使えない場合は2以降の出番です。


Last Update 2011-05-08 (日) 03:17:33

本文終了

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