要約筆記技術2 要約筆記の作業
要約筆記技術2 要約筆記の作業
要約筆記とデータ圧縮の話をする前に、要約筆記の作業について少し触れる必要がありますね。
要約筆記、狭義では「音声情報を文字化する」作業であると言いました。
端的に言えば、それだけです。
聞いたものを書けばいい。
そして、それを読んだ人が、元の話を聞くのと同じだけのモノを得られればいい。
この“同じだけのモノ”というのがポイントです。
これを判断するには多少の想像力が必要です。
言葉で言ってもピンとこない気もしますので、とりあえず実際にやってみましょう。
要約筆記をしたことが無い人は是非。
紙と鉛筆を用意して、テレビをつけます。
(ラジオでもいい。鉛筆じゃなくてもいい。点字ユーザーの方は点字でどうぞ)
今、あなたの隣に耳が聞こえない人が居て、その番組で何を言ってるか教えてと言っています。
その人に伝えるつもりで書いてみてください。
まずは1分間、止まらずに書いてみましょう。
どうでしょうか。
聞いたものを“同じだけ”伝えられたでしょうか。
あるいは、あなたは番組を見る代わりにそれを読んで満足できるでしょうか。
簡単じゃん、と思った人は要約筆記の天才だと思うので、ぜひ要約筆記の世界へ。
普通は難しく感じるんじゃないかと思います。
細かい注釈は後にして大雑把に言えば、今のような作業が要約筆記。
これを通訳者としての責任を持って行うには、それ相応の技術と知識が必要です。
これから、その要約筆記技術について説明を進めていきます。
その各技術を説明する前段階として、まずは要約筆記技術の原理を抑えておきたい。
ということで、前回の話。
要約筆記の技術の根本原理を、「圧縮」の技術として解釈すると分かりやすいのではないか、というところまで話しました。
Last Update 2010-06-03 (木) 11:44:45
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