盲ろう者とは目と耳両方に障害のある人のことをいいます。
富山盲ろう者友の会では、盲ろう者とその支援者の交流・支援活動を行っています。

現在の位置: ホーム > 盲ろう者と通訳技術 > column > 要約筆記指導法2 事前に自分でも書いてみる

要約筆記指導法2 事前に自分でも書いてみる

本文開始


要約筆記指導法2 事前に自分でも書いてみる

前回のつづき。
要約筆記の添削指導の際、指導者には以下のような要領が必要だという話でした。
  1.書いているプロセスを見る
  2.事前に自分でも書いてみる
  3.良い間違いと悪い間違いを区別する
  4.読上文の文字おこしは必須。
1個項目足しました。
ともあれ今日は、2について。

2.事前に自分でも書いてみる
これが可能な時ばかりではありませんが、このプロセスを踏んでおくと、より具体的な細かい指導が可能になります。
また、1の作業もかなり楽になります。

もちろん、聞いただけでも大体のことは言えます。
しかし、細かい感覚は、実際に書いてみないと見えないことも多いです。
表記処理しにくい単語が1つ混じるだけでも1~3秒の読みズレが出ることがありますし、文意が判断できる位置が少し前後すると、結構広い範囲の筆記に影響が出てきます。
話の流れの読みやすい箇所・読みにくい箇所。
文意が特定される位置。
非発話語句の補完必要性の度合。
付近の字並びによっても変わってくる個々の処理判断。
大体は読んでいるつもりでも、いざ書いてみると、やはり見える量が全然違う気がします。
これは人によっても違うと思いますが、時間的に可能であれば、事前に通して書いておくことは有意義だと思います。

表出されたものを見て、あーだこーだと言うのは簡単です。
しかし、それがどういう状況で、どういう思考過程で生み出されたかによっては、同じような結果であっても、その意味は違うわけです。
そのプロセスの妥当性を見ず、文章が整っているとかいないとか、漢字が合ってるとか間違っているとか、そういう表面的なことだけで評価すると、肝心な要約筆記の思考力・判断力を伸ばすことができなくなります。
そこら辺を細かく見るためにも、対象の筆記感覚をより詳細に把握しておく必要があるのです。
中途半端に切り上げるのが正解な箇所もある。
きれいに書けていても、処理の思考としては間違っている場合もある。
たまたま上手く書けただけか、無残だけど方向は合っているのか。
これはやや極端だとしても、その辺の見極めが、要約筆記では重要であると思っています。
特に養成の過程では。


Last Update 2011-05-08 (日) 03:24:07

本文終了

powered by Quick Homepage Maker 4.27
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional