盲ろう者とは目と耳両方に障害のある人のことをいいます。
富山盲ろう者友の会では、盲ろう者とその支援者の交流・支援活動を行っています。

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要約筆記技術4 要約筆記とデータ圧縮

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要約筆記技術4 要約筆記とデータ圧縮

要約筆記とデータ圧縮の話の続きです。

要約筆記では、聴覚情報を文字情報に変換します。
その際に情報量はどう変化するか。
両者の情報としての性質に差異がありますので単純な比較はできませんが、結論から言えば、情報は非可逆的変化を伴いつつその総量を減じます。(詳細は後日)
ここでデータ圧縮の話。
静止画の圧縮方式として有名なJPEGなど、非可逆圧縮では人間の視聴覚の感覚特性を利用して効率的に情報量を減らします。
人が変化を感じにくい部分の情報は大きく減らし、人が変化を感じる部分は残す。
要は、人には分からない部分はごまかしてしまう。
大雑把に言い過ぎでしょうか。
ともかく。
非可逆圧縮では情報を均等に減らすのではないというのがポイントです。
人間の感じ方の特徴を利用して情報を減らすことで、ある程度圧縮率を上げても元の情報の性質を損なわずに済むのです。

これは、要約筆記の感覚と非常に似ています。
要約筆記でも、人の感覚特性の利用が重要な要素となります。
要約筆記文を読むのは人。
したがって、人の感覚において違いが重要でない情報を優先的に削ることで、トータルとしての情報の質を確保していきます。
裏を返せば、要約筆記技術とは、利用者の視覚や思考の充分な働きを前提に成り立っている技術とも言えます。
人の感覚における違いの重要度とは、情報内容の重要度とは全く違う基準であるということに留意してください。


Last Update 2010-06-03 (木) 11:46:12

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