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音声通訳3 通訳のプロセス

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音声通訳3 通訳のプロセス

音声通訳の技術を考えるにあたって、音声通訳のプロセスを大まかに区分します。
   ①原話を通訳者が聞く
   ②通訳者が発声
   ③利用者が聞く

音声通訳は、元となる音情報を通訳者が聞くことから始まります。
通訳者は原話を理解し、情報保障的な判断の上、通訳にあたっての処理を即座に決定する。
つまり通訳者には、まず原話の理解能力が求められます。
ここで言う“理解”とは、必ずしも内容の本質的な理解を意味しません。
母国語の場合、内容の意味が分からなくても往々にして聞き取ることは出来る。
したがって、まず「聞き取れる」ということが大前提なのですが、その聞き取りには内容理解の度合が影響してきます。
知らない言葉は入らない。
ものによっては復唱すらできない。
仮に聞き取れたとしても記憶に残りにくい。

また、内容の理解がなくては通訳としての処理判断が出来ない場合も多いです。
理解できていなければ、置換処理等々の通訳技術が使えず、そっくり復唱する以外に選択肢がなくなってしまいます。
したがって、責任を持って通訳するためには、ある程度の内容理解は必須。
通訳者には通訳技術のトレーニング以外にも事前準備が必要ですね。
通訳者が誤まった認識をするということは、インプットの過程で情報が歪んでしまっているということ。
そうなれば必然的に誤った通訳を生んでしまうでしょう。
悪気がなくても、不理解は誤通訳を生み、そして不理解は誤通訳に気づけない。
誤認識が誤通訳を生むということと、誤通訳に気づけないということは、少し意味が違うのですが、どのみち通訳において通訳者の原話理解力が大きな鍵になるのは確かだと思います。

とはいえ、理解できていれば通訳できるというものでもありません。
聞き取りの後は②発声です。
これを、ただ「声に出して言う」と認識するのはお粗末。
情報を確実に伝えるためには、適切な発声技術が必要です。
音声表現技術の選択を適正に判断できるか、その選択した処理をきっちり表現できるか。
この両方の要素が必要になります。
仮に、通訳としてベストな判断をし選択をしても、それを確かに表現できなければ、効果は半減してしまう。
通訳は、あくまでも情報が利用者の耳に届いて初めて成り立つのであって、そのプロセスのどこが欠損しても通訳の質は落ちます。

※まず聴覚情報に注目して話を進めています。視覚情報の取扱については、また別項で。


Last Update 2010-06-03 (木) 12:24:11

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