盲ろう者とは目と耳両方に障害のある人のことをいいます。
富山盲ろう者友の会では、盲ろう者とその支援者の交流・支援活動を行っています。

現在の位置: ホーム > 盲ろう者と通訳技術 > 翻訳技術 概説 > 点訳 > 点訳入門(7)

点訳入門(7)

本文開始


筆記の基本ルールが少しわかったところで、今まで出ていなかった文字を紹介します。
これまでに、日本語文字「あ」~「ん」は全てを紹介しましたが、実際の文章には様々な文字が含まれています。句読符だけでも、「。」「、」「!」「?」…。
他にも、アルファベット、単位記号、数式、化学式 …。
活字で表記されている内容は、基本的には全て点字で表わすことができます。

ここで問題になるのは、点字の1マスは6つの点の集まりだということ。
6点点字は、指による識別がしやすく、速く正しく読み書きできる、優れた触読文字ですが、点の数が限られていれば当然、表わせるパターンも限られてきます。
6つの点の凹・凸の組合せは、2×2×2×2×2×2=64通り。
実際には、‘凸なし’のパターンはスペース(文字と文字の間の空白)ということになりますので、それを除いて63通り。
この限られた表記パターンを如何に駆使して、様々な文字を表すか。
点字の体系は、概ね見事に工夫されています。

50音以外は、「前置点」「前置符」

限られた点の組合せで多くの文字を表すため、50音以外のほとんどの文字は「前置点」・「前置符」を付けて表すことになります。前に置く点・符号という意味で、前置点・前置符。
「前置点」「前置符」は、それ自体に読みを持たず、次にくる文字の系列を示すための記号です。
50音の場合は、1マスで1文字を表すのに対して、前置記号を用いるものは、2マスで1文字を表すことになります。つまり同じ配列の点字でも、前に何の前置点・符が付くか、あるいは付かないかによって、意味するものが変わってくることになります。
主な前置点は、日本語表記における濁音、半濁音、拗音を示すものです。
それを応用して、拗濁音、拗半濁音を示すもの。その他に特殊音を示すものがあります。
前置符の主なものとしては、「数符」と「外字符」を覚えておくといいでしょう。

濁音・半濁音・拗音

具体的に見ていきましょう。
濁点、半濁点に関しては以前にもチラッと触れましたが、改めて。
以下に、「ば(濁音)」「ぱ(半濁音)」「ひゃ(拗音)」を示します。

墨点字「ハ」を基本として、 墨点字「バ・ハ・ヒャ」
「ば」「ぱ」「ひゃ」それぞれの左側のマスが、濁音・半濁音・拗音を示す「前置点」です。

これを応用すると、「びゃ(拗濁音)」「ぴゃ(拗半濁音)」は以下となります。
墨点字「ビャ・ヒャ」

他の濁音、半濁音なども全く同様のパターンです。
次回に続きます。


Last Update 2010-06-03 (木) 12:32:35

本文終了

powered by Quick Homepage Maker 4.27
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional