盲ろう者とは目と耳両方に障害のある人のことをいいます。
富山盲ろう者友の会では、盲ろう者とその支援者の交流・支援活動を行っています。

校正技術

本文開始


【校正技術】

録音の後は校正作業、修正作業に入ります。

校正技術

録音が終了すると、校正に入ります。
一つの完成物に対して、通常2人の校正者が担当します。
原文との整合性、アクセントの正誤の確認が校正の中心にはなりますが、処理の適切さ、録音状態の良否、構成の適など、音訳としての出来についても当然指摘しなくてはなりません。
したがって校正者にとって、言葉やアクセントに関する知識はもちろん、音訳に関する知識や経験も不可欠です。音訳的な見方ができなければ、校正をしても片手落ちに過ぎません。
録音状態等もチェックするわけですから、無音部分も含めたテープ全体が校正の対象となります。
校正の最終責任は多くの場合、その録音図書を提供する施設にあります。判断のつかない場合などは、最終的には施設側の指示に従います。

音訳作業の全体の流れ

音訳者は校正を受けて修正作業を行い、それを校正者が再度チェックします。
これでようやく録音図書の完成です。マスターテープは保管され、ダビングテープが貸出されます。
改めて、全体の作業がどういう段取りになっているか概括します。
調査→下読・処理決定→録音→校正→訂正→完成
本の種類によって、音訳者によって、手順は様々だとは思いますが、大体の流れはこんな感じです。
対象によって違いますが、本1冊で着手から完成までは概ね2ヶ月。 
利用者の側からみると、要望してから入手するまでに3~6ヶ月程という実状のようです。

音訳活動

書籍の音訳、音訳図書(録音図書)の作成について紹介してきました。
他の主要な音訳活動に「対面朗読」があります。
通例1対1で、利用者の要望する本等を直接目の前で読上げるという方法です。
これは録音作業と違って著作権法の制約が少なく、必要な時に必要なものを読めるというメリットがあります。先述の通り音訳図書の製作にはかなりの時間がかかり、数も種類も圧倒的に少ないのが現状です。趣味としての読書ならいざ知らず、何らかの必要のもとに本を読みたいと思う場合には、音訳図書サービスは実際問題あまり役に立たないでしょう。
専門書などのマイナーな本をすぐに読みたい場合は、家族や知人に読んでもらうことも含めて、対面朗読が唯一に近い手段ということになります。
しかしながら現行の対面朗読サービスは、限られた施設で限られた日時に行われているにすぎません。なおかつ事前予約が必要、利用時間の制限など、実用具合にはかなりの難点があります。
視覚障害者の多くは移動も不自由ということから、音訳者が出向いての「出前朗読」、電話を使っての音訳も一部行われています。
今後はインターネットを活用することで、質・量ともに充実した音訳サービスが発達することが期待されますが、それに関しては著作権の問題が大きな壁となっています。


Last Update 2010-06-03 (木) 12:40:59

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